こちらの英語記事の翻訳です。
クラウドファンディングサイト「KICKSTARTER」上で、この独創的な製品の紹介を見た時、エレクトロニクス業界30年以上のキャリアで経験したことの無いような興奮を覚えました。それがスロベニアから誕生したカードサイズの計測器「Red Pitaya(レッドピタヤ)」です。
サボテン科のフルーツ「Red Pitaya (日本ではドラゴンフルーツと呼ばれています)」と名付けられたこの製品は、わずかクレジットカードと同等の小さな基板ながら、オシロスコープ・スペクトルアナライザ・波形ジェネレータ・周波数応答アナライザなど、様々な機能を搭載した電子計測・制御用モジュールです。ネットワークで接続された外部端末のブラウザに波形を表示させることができるため、例えばタブレットやスマホなどで計測結果を表示させることができます。一般的に実験室などに用いる様々な測定環境を、非常に安価で、更にコンパクトなサイズで実現してくれます。
しかも、計測制御のアプリケーションのソースコードが公開されており、C言語やMatLabなどで自分自身でカスタマイズすることができます。ユーザーは「Bazaar」とよばれるアプリケーション配布サイトから必要なアプリをダウンロードしたり、またオリジナルで作成したアプリを、オープンソースとして投稿できるような「Backyard」というサイトも用意されており、誰もがRed Pitayaの拡張機能をオープンソース的アプローチで開発きるような仕組みになっています。
Red Pitayaを開発したスロベニアの技術者たちは、もともと「粒子の加速過程を監視する機器」を開発していました。非常に正確かつ精密な計測精度が求められたその経歴を本製品開発に活かしているそうです。このデバイスは、様々な業界の様々なアプリケーションにご利用できますが、産業分野だけではなく、高等教育および研究分野での使用を主に想定しています。
詳細については、www.redpitaya.comまたはRed Pitaya Design Centreをご覧ください。